あるメロンパンのおはなし
この写真に写ってるのはインターン生なのにパン屋を始めた角南さんの売ってるメロンパンです。いろんなところでシェアされてるので、一部の方にはそんなに珍しくない写真かもしれません。
なんで何度もこのメロンパンの写真が登場するのか?といいますと、角南さんはこのメロンパンであるとんでもないことをしてしまうからです。
メロンパンは当初、デリバリーに車を出すほどの売り上げがなく、角南さんはサンプルを持ってお店などを営業していました。そして新しい売り先を確保する際の交通手段として、タンザニアの公共バスを利用してました。これは経費削減のためです。一回の乗車賃は20円ほど。
(パンの営業中の角南さん、みんな喜んでます。)
(地元の日本人会の運動会で出店中の角南さん、ちびっこに人気だったとか?)
(在タンザニア日本大使公邸でメロンパンをタンザニア人の来賓の方々に説明している角南さん)
大きな容器を持って公共のバスに乗ってくる、へんてこな日本の青年はすぐにバスの路線内で有名になります。
そのうち、「何をしているのか?」「なにを持ってるのか?」と常連客は聞いてきます。
そのときにパンを出すわけです。
そしてサンプルとしてあげます。
最初はみんな、疑心暗鬼です。
へんてこな日本の青年におもむろに見たこともないメロンパンを渡され、試食してみろって言われるからです。
でも、一回、二回食べてみて、甘くて柔らかい(そんなパンはアフリカにないです。)メロンパンがとんでもなくみんなおいしい事に気付きます。
そして最終的には購入してくれる人も現れます。
小さいですが、営業成功ですね。
そこまでは普通のお話。
メロンパンの営業の目的は公共のバス内で売るのではなく、
お店に卸すのが本来の目的なので、バス内のお客様はそこまで重要ではないです。
角南さんもお付き合い程度でパンを売りさばきます。
実は、角南さんは悩みがありました。「営業費」としてカットしたい部分があります。
それはズバリ「交通費」です。
一回20円とは言え、利益率の低いパンにとっては、削減できるところはとことん削減したい。
そこで角南さんは考えました。
「そうだ!乗車賃をメロンパンで払おう!」
有言実行の日本の青年、角南さんはそれを実施します。
幸い、車内ではメロンパンはすでにヒット商品。バスの集金係のお兄さんも快くオッケーしてくれた。
これで、
角南さんはアフリカで一番最初にメロンパンでバスの乗車賃を払った日本人になりました。
(パンのサンプルを配る角南さん)
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