East Africa Sales Promotion

アフリカでのビジネスシーンの出来事、生活の様子などを記事にしています。

ブログでは絶対に言えない国際教育の話【イベントレポート】

『途上国ビジネス×国際協力 ブログでは絶対に言えない生対談』イベントレポート

5/25と5/28の、弊社代表の金城と、ガーナで教育支援をする一般社団法人Enijeの代表である矢野デイビットさんと対談イベントを開催しました。

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(5/25のイベント。この日は、金城がメインで今までのアフリカでの経験を語った。)

5月、6月に弊社では、東京都内でのイベントを3回、開催しました。

その中の1つのイベントのタイトルは、「途上国ビジネス×国際協力 ブログでは絶対に言えない生対談」

当日券も含め完売になり、沢山の方にご来場頂きました。

アフリカで約10年間事業を展開し、ビジネスという立場から支援というものを見ている金城と、自身で支援団体を運営し、支援という実情の表も裏も見ているデイビットさんとのトークセッションがメインコンテンツでした。

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【矢野デイビットさん】

ガーナで自立教育支援をする一般社団法人Enije代表。

建前は一切なしで、ひたすら赤裸裸に、一般的には公で語られないタブーにも切り込み、「本当の意味でアフリカのことを考えた事業・支援とは?」という答えのない議論を究極的まで掘り下げました。

前半に、NPOやNGOの活動の具体的な事例を用い、その支援は現地の人たちの生活にどういった作用をもたらしうるか等を説明した上で、「途上国地域における資本主義はこれからどうなるか?」「先進国に生まれた我々が途上国の人たちと、どう関わるべきか」「社会事業での助成金について」等、約2時間に渡り、赤裸裸なトークセッションが繰り広げられました。

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【金城拓真】

津梁貿易株式会社・East Africa Sales Promotion代表。アフリカ9カ国に渡り、様々な事業を展開している。

▼全部は、ここでは書けないのですが、対談の一部分だけシェアします。

以下トークセッション冒頭部分より一部抜粋。(敬称略)

医療系NGOを拒んだアフリカの人たち

デイビット:

とある某医療系のNGO団体の活動があって、現地で話を聞きに行ったことがあるんです。そこで、現地の人は「今度○○っていう無償で医療を提供してくれる団体がうちに村に来るんだけど嫌でよー」というんです。けど、僕は「そんなNGO、正義の象徴じゃん!」くらいに思ってたので、どういうことか話を聞かせてくれ、と聞いてみたんです。

そうしたら、返ってきた返答を聞くと、○○という村に医療系NGO団体が2年間、無償で医療を提供していたらしいんです。

2年間たっている間に何が起きたかというと、彼らは薬も無償で提供するから村にあった薬局も潰れた、医者もいなくなった。医者は儲かる商売じゃなくなってしまったので、皆辞めてしまった。でも、2年後、NGOは村を離れてしまうんです。

すると、その後、ここには医者もいない、薬も手に入らなくなる、「悲劇以外の何ものでもない」とまで言うんですんね。

金城:

そういった状況は、凄いよく分かります。

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(開演前。打ち合わせの一コマ。)

アフリカや途上国に、先進国(西洋の価値観)を持ちこむことは間違っている?

デイビット:

資本主義が、本当に人を幸せにするのかどうかってぶっちゃけあるじゃないですか。

その一方で、NGO関係の友達とかと、話してバチバチのバトルになる話題なんですけど、「そもそも我々がアフリカに行くことがそもそも間違っている」という意見を言う方もいるんです。

我々が、現地のアフリカに入っていって、「○○を○○すればビジネス出来るようになるよ」とか「○○を勉強したほうがいい」、「日本のこういったところを学ぶともっとよくなるぞ」とか言うのは、間違っているという意見を言う人たちもいるんです。

競争を生み出しているだけなんだということです。彼らには彼らの幸せがあって、そこに我々のエゴの押しつけることは、彼らの良さが死んでいくだけなんだというんですね。

ただ、僕はここに少し違和感もあって、更に一歩ドライな考え方をすると、資本主義がアフリカに行き渡るのは、正直、時間の問題ですよ。これは絶対に止まらないです。

今こうやって資本主義が日本にも育って、「幸せって何だろう」であったり、「たった一度の人生において、自分らしく生きるって何だろう」ここ5年とか10年ですよ。その前までは皆競争していたじゃないですか。

それがDNAに刻み込まれて、3代先くらいになってちょっと待ておかしくないかって、今の日本みたいになると思うんですよ。ならない場合もあるんですけど。

同じような流れはアフリカでも止められないんです。じゃあ大事なことは何かというと彼らにあった、本当の方法を一緒に学んで行かない? 自分の知ってることを言うから、君たちが一番良いと思うことも言ってみて、ここで一番いい方法を一緒に探してみない?というのが僕は凄い大事だと思っています。

金城:

今、資本主義というテーマになったので、ふと思い出した話がありまして、アマゾンで魚をとっているおっちゃんがいたという話なんですけど。

どういった話かというと、金融街かなんかから来た人間と、そのアマゾンの漁師がこんなが、こんな会話をするんです。

「おっちゃん、今午前中だけ働いているけど、午後遊んで暮らしているけれど、俺の言う通りにすれば、めっちゃ人生良くなるよ。」

漁師「え、どうするの?」

金融マン「まず、朝だけじゃなくて夕方まで、働らきなさい。食べない分はマーケットで売りなさい」

漁師「マーケットで売っても、金しか入らないでしょ?」

金融マン「そのお金で二席目を買って、もっと儲けて10席に増やすんだよ。」

漁師「十席にしてどうするの?」

金融マン「会社を作るんだよ。」

漁師「会社つくってどうするの?」

金融マン「船を100席にするんだよ」

漁師「100席にしてどうするの?」

金融マン「IPO(株式公開)して、お金が入って来て、結果的に遊んで暮らせるんだよ。」

そして、最後に漁師が、「なんだ、今とやっていることあんまり変わらないね。」というのが、この話のオチなんです。

資本主義の原動力は欲ではなく恐怖

金城:

結構、有名なオチなので、聞いたことある方はいらっしゃるかと思います。

しかし、僕、この話が凄い怖くて、もし、隣の別の漁師が、この金融街から人の言う通りに事業を興したら、この話を断った漁師のマーケットは失われるんです。

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(5/28. 途上国ビジネス×国際協力。非常に盛り上がり、登壇者と参加者との間でも活溌な議論が展開された。)

資本主義を突き動かしているのは、「欲」と言われがちですが、僕は「恐怖」だと思っています。

ちょっと表現違うかも知れませんが、デイビットさんもアフリカにおける資本主義のあり方みたいなものに似たようなこと感じているということですよね。

上記の導入部分からトークセッションは約2時間に及び、様々なぶっちゃけ話が展開されました。

『ブログでは絶対に言えない生対談』というタイトルでイベントを企画しましたが、ここまで、公に出来ない話になるとは思っていなかったというのが、正直なところ。

今回のブログで取り上げた、対談の前半部分も含め、金城や矢野デイビット

イベント会場には、アフリカ地域の開発等に従事する企業の方も複数名いらっしゃっていて、そういった方とも意見をぶつけ合え、非常に濃密な会になりました。

こういったビジネスをしている人間と、開発援助や支援の分野が交わり、深い議論まで出来る場は、今まであまりなかったと思っていて、そういった場を作れたことは、企画側としても、とても嬉しかったです。

イベントのトークセッションは、全日程分、弊社主催のアフリカ、及び途上国をメインにフォーカスしたサロン

http://synapse.am/contents/monthly/takumakinjo

にて、全て動画公開しています。

一般公開ではなく、メンバー限定にしていますのは、会場に来て下さった方に申し訳ないということと、正直一般公開しずらい内容が多く含まれていますので、メンバー限定で動画視聴を出来るようにしています。

■5/25『アフリカビジネスの可能性とリスク』

■5/28『ブログでは絶対に言えない国際協力の話』

■6/10『アフターパーティー&事業プレゼン会』

また、その他、過去に行ったイベントのアーガイブも全て視聴できます。

サロンメンバー向けの企画等、積極的に行っていて、最近は今まで以上に、参加されている方と活溌な議論・やり取りが出来ていて、質の高いコミュニティになっています。

また、引き続き、期間限定で矢野デイビットさんをゲストに迎えて、普段はビジネスネタが中心のサロンですが、最近はNGOや国際協力の話題も混ぜ、ガチトーク継続中です。

入会はこちらから→http://synapse.am/contents/monthly/takumakinjo

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今回、3日間を通し、本当に多くの方にご来場頂き、有難うございました!

次回、開催の際は、是非、またよろしく御願い致します。