イスラムビジネス
イスラム教の文化は面白い。(もしかしたらタンザニア特有の)
彼らはビジネスをするにあたって、他の宗教よりも大きなハンディキャップを背負っているように思われます。
それは借入の禁止と手数料の禁止。
ビジネスを始めるとき・ビジネスを大きくするときには借入を行うのが一般的だと思います。
そうしなければ、自己資本のみでの勝負になり競争力が落ちてしまうからです。
そんな中、彼らは借入を禁じられている身。
無一文から一生懸命お金を貯めて、それを元手にビジネスを展開していきます。
少しの失敗も許されない状況でのビジネスですので、そのビジネスに関する知識や知恵がハンパない。
多くの失敗の上に成功があるという考え方とは真剣度が段違いです。
イスラムビジネスの強さは、そこにあるように感じます。
もう一つの禁止事項は手数料ビジネス。
何かを代理で売ってあげて、その数%をもらう(あげる)ビジネス。
何かのシステムを構築し、その使用料を取る(取られる)ビジネス。
それらは戒律で禁じられています。
となると、彼らがお金を稼ぐ方法はかなり限られていってしまいます。
言い換えると、いつまでも現場で稼がなくてはいけません。
欧米のように、ガツンと稼いで早期リタイアなんて無理ですね。
リタイア=無収入になるので。
彼らはある程度の年齢になると、子供にそのビジネスを譲り、自分は完全に引退してしまいます。(子供の世話になります。)
欧米と違うのは、彼らはビジネスを譲るのであって、利権を譲るわけではありません。
ビジネスにとって1番大事なのは知識と知恵。
それを徹底して伝えていきます。
そうやって何世代にも受け継がれたビジネスは大きな影響力をその地域に与え続けています。
もちろん、その戒律を破ってビジネスをしている人たちも中にはいます。
でも、そういった人たちはどんなにビジネスで成功しても、その社会では尊敬の対象とはなりません。
その生き方は、お金だけが人生じゃないという考えを貫いているように思われます。
イスラム教ではビジネスに対して大きなハンディキャップを背負っていますが、それを乗り越えていく過程でより実力を付けていっているように感じています。